男性機能に影響を与える前立腺とFT比

思春期の男性前立腺は男性だけに存在する器官で、精液の一部を生成する機能があります。思春期から活動を開始し、男性機能に重要な役割を果たしますが、加齢とともに衰えていきます。そして50代ぐらいになると、前立腺肥大の症状を起こすことが多くなります。尿が出にくい、尿の切れが悪い、夜中に何度も尿意を催す、尿を漏らしてしまうなどの症状です。
また前立腺肥大は男性機能を低下させ、勃起不全の原因になることも知られています。ED治療薬は男性機能を回復させると同時に、前立腺肥大による排尿困難を治療する効果もあります。

前立腺がんも前立腺肥大と同じような症状があります。現在のがん検査では、血液中に含まれるPSA値を調べる方法が主流となっています。PSAは前立腺だけに含まれる糖蛋白の一種で、これが血液中に多く含まれていると、がんの可能性が高くなります。
一般にPSA値が4.0~10.0ng/mlのときがグレーゾーンと呼ばれています。しかし前立腺マッサージなどでもPSA値が上がるため、がんと確定することはできません。そのため、がんの疑いがあるときは触診や超音波で再検査を行います。触診は肛門から指を入れて患部を確かめます。最終的には生検といって、組織の一部を切り取り、顕微鏡で調べる方法を用います。

より検査を精密にするため、F/T比を調べることもあります。PSAの中にも遊離型と、タンパク質と結合した結合型の2種類があり、その比率がF/T比です。F/T比が25%以上ならがんの確率は8%以下、逆にF/T比が10%未満ならがんの確率は50%以上とされています。再検査の際にF/T比を調べることで、体に負担のかかる無駄な生検を避けることができます。